ワールドネバーランド~ゼーン大陸物語~のプレイ日記です。 ネタバレ等考慮しておりませんのでご注意を。 *掲載されている画像等の著作権は株式会社アルティにあります。

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そして、落葉
はい、お待たせしました!
菊召天ぎりぎりで、書き終われるかな…?くらい微妙な時期でしたが。
根性で間に合わせます!
では、菊と揚羽、最後の物語をどうぞ…。


窓から吹き込んだ風がふと髪を揺らし、私は書き物をしている手をとめ、そっと外を見た。
外は一面の星空。
競い合うように輝く星々が、柔らかな月の光に守られながらきらきらとした光の粉を地上に届けている。
吹き抜ける涼やかな風が、再び私の髪を揺らした。

階下では、下の娘が母に…揚羽に向かって、勉強を教えてくれとねだっている声がする。
上の娘はまた、一人遊びでもしているのだろうか?

ついっと、ひざにかけられたひざ掛けに指を滑らせ、私は一人微笑む。
これは布を織ったり書き物をしたりと、座っていることの多い私のために、娘たちが揚羽と作ってくれたものだ。
こうして指を滑らせれば、ふわふわととても暖かい。
それは物理的なぬくもりだけでなく、私に対する家族の思いが伝わってくるからだろう。
しばらくそうしていた後、再びペンを取り上げた。
文章を書き綴りながら、思うのは大切な宝物たちのこと。

長女は揚羽ににて、ほっそりととがった輪郭と茶色い瞳の持ち主だ。
この子が私の「葉」を継ぐと決まったとき、私はあえてこの子に何も教えないことに決めた。
「葉」の名前とともに、私の母が、そして私が続けてきた家業に縛られて欲しくは無いと。
しかし、この娘は何の迷いも無く、私の後を継ぐと言ってくれた。
それがどれほど嬉しかったか。
「葉」に秘められた思いは、確かに受け継がれていると、誇らしかった。
次女、揚羽。
私のいとしい妻と同じ名前を受け継ぐこの娘は、きっとこの店と「アゲハブランド」を受け継ぎ、守っていくのだろう。
母譲りの愛嬌と何事にも真剣なその人柄で、店を盛り立てていくに違いない。

そして、揚羽。
私の半身。
初めてであったときから、今この瞬間まで、ただの一度もそばを離れることなく共にいることを許してくれた女性。
私の人生を振り返ったとき、その隣にはいつも揚羽がいた。
子供のとき…青年…成人…壮年…老年の今も。
もし、揚羽と出会っていなかったら、なんていまさら考えられないほどに、分かちがたい女性。
もうすぐ尽きるこの生の、その最期の一瞬まで。
共にあることを信じ、それでも祈りたくなる存在。
揚羽を愛して、揚羽に愛されて。
本当に、満ち足りた人生だった。

さらさらと文字を書いていた手が止まる。
まるでそのタイミングを見計らっていたかのように、私の背中に声がかけられた。
「ねぇ、パパ、何を書いているのでつか?」
いすごとくるりと振り返ると、本棚の影から長女がこちらをのぞいていた。
「…お話をね、書いていたんだよ。
 空を飛ぶ蝶を愛した、一輪の菊の物語をね。」
「どんなお話でつか?」
わくわくと瞳を輝かせる娘に、私は今まで書いていた本をそっと手渡してやった。
「ちょうど書き終わったところだからね、読んでみるといい。」
やったぁ!と喜んで本を開いた娘は、すぐ変な顔をして本を私に返してきた。
「パパ、これ真っ白なのでつ。」
私は笑って、本をさかさまにして娘に返す。
「こっちからみてごらん」
「あっ、ほんとでつ。逆さだったでつか…。
 あれ、でもなんで白いページがあるのに、書き終わったって言ったで つか?」
不思議そうな顔を見ながら、私はゆっくり娘に告げる。
「私が書くべき分は、書き終わったんだよ。
 蝶に恋した菊の話はね。
 この本の続きは、紅葉が書くといい。
 これから先、出会った人たちとの思い出を。
 きっとそれは、何よりすばらしい宝物になる。」
「…じゃあ、この本はパパの宝物なんでつね。」
ぎゅっと、重たいその本を抱きしめて、紅葉が笑う。
その頭をなでながら、紅葉に聞いた。
「…そう、もらってくれるかい?」

その夜、満天の星空からひとつ、音も無く星が零れた。


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Comment

 秘密にする

>揚羽へ
私の最愛の人揚羽。
こちらこそ、ずっとジラにしかいない私と結婚してくれてありがとうw
才能等、大変なこともあったと思います。
でも何も言わずに、ずっと私を愛してくれて本当にありがとう。
ケヤロトで揚羽の魂をずっと待っています。
そして娘揚羽へ。
まだ小さい君を残していくのは気がかりだけど、元気に大きくなってくれるものと信じています。
どうか 紅葉と一緒にお母さんを支えてあげてください。

>彩音ちゃんへ
うん、本当に楽しくて幸せな菊の人生でした!
彩ちゃんも響君とのらぶらぶっぷりをきわめちゃってくださいb

>ゆーなさん
リンクありがとうございますw
こちらこそどうぞよろしくw
紅葉(菊) | URL | 2006/09/26/Tue 02:01[EDIT]
突然ですが。。。
こちらでは初めまして!!
翠月優奈です。
いつもお世話になっておりますm(__)m
先日許可を頂いたので、早速リンクを貼らせて頂きました。
報告のみになりますが、失礼致します。
これからも、宜しくお願い致しますm(__)m
翠月優奈 | URL | 2006/09/25/Mon 00:25[EDIT]
うっ・・・泣ける(ノДT)
2人とも愛し愛されの関係だったもんね
彩音たち夫婦も2人みたいなラブラブ夫婦になるぞヽ(`Д´)ノ
彩音 | URL | 2006/09/24/Sun 19:58[EDIT]
うわーーーーん。・゚・(ノД`)・゚・。
ぱぱが昇天してすぐ読んだからよけい泣けてきた・・・。
うぅ、ぱぱが思ってくれてるように揚羽、ままの跡継いでがんばる!
ぱぱのこと忘れないよ!!

(妻・揚羽より)
揚羽はいつも飛び回ってるから、あまり一緒にいれなくてごめんなさい。
そんな揚羽でも愛してくれて、こんな素敵なお話まで書いてくれて
揚羽は幸せ者です。本当にありがとう。
2人の娘も揚羽達のように幸せになってくれるといいね。
ちょうど1年後に揚羽もそちらへいきます。
それまで待っていてねv
揚羽 | URL | 2006/09/24/Sun 01:08[EDIT]
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