ワールドネバーランド~ゼーン大陸物語~のプレイ日記です。 ネタバレ等考慮しておりませんのでご注意を。 *掲載されている画像等の著作権は株式会社アルティにあります。

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トマトままのお葬式
皆さんおはようございます。今回の小説は、ちょっと番外編といいますか、トマトままのお葬式の話です。
日記で書いていたら小説にしたくなって、急遽変更しました。
それでは、どうぞ・・・。


いつものようにワッポ畑で仕事をしていて、何気なく上着の隠しに手を入れたとき、かさり、と何かに触れた。
こんなところに紙なんて入れていなかったはずだが、と思いそれを取り出して見て、あ、と小さく声を上げる。

催事場への招待状・・・。

招待人は妻になっていた。

このチケットの日付に、私は心当たりがあった。
慌ててカレンダーを確認する。
今日はフルル月10日。
その日付を確認した瞬間、道具の片付けや挨拶もそこそこに、私は家をめがけて駆け出していた。
揚羽の母(父?)、トマトままの誕生日がもう過ぎてしまっている。
仕事の都合上、何日も家を空けているのは珍しくないが…。
こんな大事な日を忘れていたなんて、自分は何をしていたのかと思いながら、全速で走った。

もどかしい思いをしながらようやくたどり着いた家に、トマトままはいた。
ふわり、ふわりとやさしい明滅を繰り返しながら、何かを考えてでもいるかのように静かに浮かんでいる。
いわゆる、仙人と呼ばれる姿であった。

覚悟をしていたとはいえ、仙人になってしまっているトマトままを前に、私は何も言えずにただ立ち尽くしているだけだった。
義理の親であるとはいえ、仙人になる瞬間に立ち会えなかった私が、何をどういえばいいのかわからず、ただ呆然と。

すると、今までただそこに浮かんでいたトマトままが、静かにこちらへ近づいて。

「さようなら、菊の葉。」

静かで優しい声だった。
はっ、と。
知らずうつむいていた顔を上げて、トマトままを見る。
まるで微笑んでいるかのように、ゆるゆると明滅を繰り返しているトマトままがそこにいた。

「!・・・さようなら、トマトまま。」

私は、万感の思いをこめて、頭を下げた。

きっときっと、揚羽を幸せにします。
この家の婿として、家を、家族を、何より揚羽を支え、守っていきます。
・・・そう、新たに誓いなおした。


この、仙人という期間があるのは、おそらくアレフの玉座にまします神の慈悲のおかげなのだろう。
この世に心を残さぬよう、大切な人に別れを告げる期間を与えてくださっているのだろう。
そして残される我々のために、気持ちを整理し、別れを告げるための期間を与えてくださっているのだろう。
家をでて、空を振り仰ぎ、私は神の慈悲に感謝した。
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