ワールドネバーランド~ゼーン大陸物語~のプレイ日記です。 ネタバレ等考慮しておりませんのでご注意を。 *掲載されている画像等の著作権は株式会社アルティにあります。

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春、日差しうららかに
最近小説をまったく書いていなくて、無性に書きたくなった中の人です。皆さんこんばんは。
というわけで花衣ちゃんと葉樹の小ネタ小説を。
それでは、どうぞ・・・。


うらうらと日差しの照る昼。
つい最近まで高野原に降り続いた春の長雨もおとといようやく上がり、
太陽が若草たちをきらきらと輝かせている。
舟から港へと降り立った葉樹の頬を、草と土のにおいを乗せた風がくすぐっていく。
深い茶色の瞳をふっと細めて、葉樹は仕事場へ向かう船とは逆の方向に足を向けた。
港からほんの少し離れたところ、川と海の交わるすぐそばに、ちょっとした高台がある。
目立つものは何もなく、ただ名前も知らない木々と、木陰と、草むらとがあるその場所は、葉樹の気に入りの場所であった。

ただ踏み分けられただけの細い道、その脇の草にも小さな花が咲いていて。
先ほどから葉樹の髪や袖にじゃれつく風も、冷たく胸を刺すようなものから、暖かくしっとりとした草のにおいを運ぶものになっていて。

ああ、いつの間にか春が来ていたんだと。
胸の奥からこみ上げてくる、わくわくするような気持ちに逆らわないまま、葉樹は高台へ上った。
そこから見る、きらきらと陽光を跳ね返す水面はまぶしいほど。
半分くらい身体が日陰に入る場所を探して、腕を枕にごろりと寝転がった。
まだ露を含んでいた柔らかな草が葉樹の重みで押しつぶされて、深紅の上衣の色を濃く変える。

(あ…銀に怒られるな、これは…)

またそんな子供みたいなことをして!と自分をにらむ愛妻の顔が目に浮かび、思わず笑みがこぼれる。
いつもよりずっと低くなった視点に、背の高い木々は何処か平坦に映り、代わりに
目の前にある草花が、息を呑むほどの鮮やかさで飛び込んでくる。
高台の入り口へ目を転じれば、葉樹の歩く速度に追いつけなかったらしい彼の愛羊が姿を表したところだった。
こちらへ駆け寄ってこようとする愛羊の鼻先を、いたずらな黄色い蝶がひらりと横切る。
その蝶を目で追う愛羊の様子に和みながら、葉樹は彼の相棒にも休息の許可を出した。

「花衣、遊んで来ていいよ」

主人に忠実な彼の相棒は、彼の許しを得て大喜びで飛び跳ね始める。
体を半分以上草に埋もれさせながら蝶を追いかけ始めた愛羊から目を離し、そのまま視線を空へ投げかけた。
淡い水色の空に、真っ白な雲が1つ、2つ、緩やかに流れていく。

今度銀もつれてこよう。

そう心に刻みつつ、何処かから聞こえる鳥の声に誘われるように、葉樹のまぶたは落ちていった。


新しい春の太陽は、生まれ来る命を祝福して、どこまでも暖かい。
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